22.15. パラレルライン IP (PLIP)

PLIP はパラレルポート間で TCP/IP 通信を可能にします。 これはネットワークカードの無いマシンやノートパソコンにインストールするときに役に立ちます。 この節では以下について説明します。

22.15.1. パラレル (クロス) ケーブルの作成

コンピュータ用品店のほとんどでパラレル (クロス) ケーブルを購入することができます。 購入することができないか、 単にケーブルがどのような構造であるか知りたい場合は、 次の表に通常のパラレルプリンタケーブルをもとに作成する方法が示されています。

表 22-1. ネットワーク向けのパラレル (クロス) ケーブル結線

A-名称 A-端 B-端 説明 Post/Bit

DATA0
-ERROR

2
15

15
2

Data

0/0x01
1/0x08

DATA1
+SLCT

3
13

13
3

Data

0/0x02
1/0x10

DATA2
+PE

4
12

12
4

Data

0/0x04
1/0x20

DATA3
-ACK

5
10

10
5

Strobe

0/0x08
1/0x40

DATA4
BUSY

6
11

11
6

Data

0/0x10
1/0x80

GND 18-25 18-25 GND -

22.15.2. PLIP の設定

はじめに、ラップリンクケーブルを入手しなければなりません。 次に、両方のコンピュータのカーネルが lpt(4) ドライバ対応であることを確認してください。

# grep lp /var/run/dmesg.boot
lpt0: <Printer> on ppbus0
lpt0: Interrupt-driven port

パラレルポートは割り込み駆動ポートでなければなりません。 FreeBSD�4.X では、 以下のような行がカーネルコンフィギュレーションファイル内になければならないでしょう。

device ppc0 at isa? irq 7

FreeBSD�5.X では /boot/device.hints ファイルに以下の行がなければならないでしょう。

hint.ppc.0.at="isa"
hint.ppc.0.irq="7"

それからカーネルコンフィギュレーションファイルに device plip という行があるか、または plip.ko カーネルモジュールが読み込まれていることを確認してください。 どちらの場合でも ifconfig(8) コマンドを直接実行したときに、 パラレルネットワークインタフェースが現れるはずです。 FreeBSD�4.X ではこのようになります。

# ifconfig lp0
lp0: flags=8810<POINTOPOINT,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500

FreeBSD�5.X ではこのようになります。

# ifconfig plip0
plip0: flags=8810<POINTOPOINT,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500

注意: パラレルインタフェースに対して用いられるデバイス名は FreeBSD�4.X (lpX) と FreeBSD�5.X (plipX) 間で異なります。

両方のコンピュータのパラレルインタフェースにラップリンクケーブルを接続します。

両方のネットワークインタフェースパラメータを root で設定します。 たとえば、FreeBSD�4.X を動作させている host1 と FreeBSD�5.X を動作させている host2 の両ホストを接続したい場合は次のようにします。

                 host1 <-----> host2
IP Address    10.0.0.1      10.0.0.2

次のコマンドで host1 上のインタフェースを設定します。

# ifconfig lp0 10.0.0.1 10.0.0.2

次のコマンドで host2 上のインタフェースを設定します。

# ifconfig plip0 10.0.0.2 10.0.0.1

さて、これで接続が確立したはずです。詳細については lp(4) および lpt(4) マニュアルページをご覧ください。

さらに/etc/hosts に両ホストを加えるとよいでしょう。

127.0.0.1               localhost.my.domain localhost
10.0.0.1                host1.my.domain host1
10.0.0.2                host2.my.domain

接続がうまくいっているか確かめるために、 両方のホスト上で互いを ping してください。 たとえば host1 で以下を実行します。

# ifconfig lp0
lp0: flags=8851<UP,POINTOPOINT,RUNNING,SIMPLEX,MULTICAST> mtu 1500
        inet 10.0.0.1 --> 10.0.0.2 netmask 0xff000000
# netstat -r
Routing tables

Internet:
Destination        Gateway          Flags     Refs     Use      Netif Expire
host2              host1              UH          0       0       lp0
# ping -c 4 host2
PING host2 (10.0.0.2): 56 data bytes
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=0 ttl=255 time=2.774 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=1 ttl=255 time=2.530 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=2 ttl=255 time=2.556 ms
64 bytes from 10.0.0.2: icmp_seq=3 ttl=255 time=2.714 ms

--- host2 ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 2.530/2.643/2.774/0.103 ms

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