この節では特殊な状況での FreeBSD のインストール方法が記述してあります。
この形式のインストールは “表示のないインストール” と呼ばれます。 なぜなら、FreeBSD をインストールしようとするマシンにモニタが接続されていないか、 VGA 出力さえもっていないからです。 どのようにすればよいでしょうか? シリアルコンソールを使ってください。 シリアルコンソールは基本的に別のマシンをシステムの主ディスプレイやキーボードとして使います。 これを行うには、項3.3.7 の説明に従い、インストール用の USB メモリスティックを作成するか、 項3.13.1 で説明されているインストール用の ISO イメージをダウンロードしてください。
以下の説明に従って、 これらのメディアをシリアルコンソールを使って起動するように変更してください (CDROM を使うのであれば、最初の手順を飛ばしてください)。
インストール用 USB スティックのシリアルコンソールへの起動を有効にする
作成した USB スティックで起動すると、 FreeBSD は通常のインストールモードで起動します。 インストールにシリアルコンソールを使って FreeBSD を起動したいので、 そのためには、まず FreeBSD のシステムに mount(8) コマンドを使って USB ディスクをマウントする必要があります。
# mount /dev/da0a /mnt
注意: デバイスノードおよびマウントポイントの部分は、 利用している環境に合わせてください。
スティックをマウントしたら、USB スティックをシリアルコンソールを使って起動するように設定しなければなりません。 シリアルコンソールをシステムのコンソールに設定する行を含んだ loader.conf ファイルを USB スティックのファイルシステムに作成します。
# echo 'console="comconsole"' >> /mnt/boot/loader.conf
USB スティックを正しく設定することができたら、 umount(8) コマンドを使ってディスクをアンマウントしてください。
# umount /mnt
その後 USB スティックを抜き、3 番目の手順に進んでください。
インストール用 CD のシリアルコンソールへの起動を有効にする
インストール用の ISO イメージ (項3.13.1 をご覧ください) から作成した CD で起動すると、 FreeBSD は通常のインストールモードで起動します。 インストールにシリアルコンソールを使って FreeBSD を起動したいので、 そのためには、ISO イメージを CD-R メディアに焼く前に、 展開して、変更し、再び ISO イメージを作成する必要があります。
インストール用の ISO イメージ (ここでは FreeBSD-9.1-RELEASE-i386-disc1.iso とします) が保存されている FreeBSD のシステムで、 以下のようにすべてのファイルを tar(1) ユーティリティを使って展開してください。
# mkdir /path/to/headless-iso # tar -C /path/to/headless-iso -pxvf FreeBSD-9.1-RELEASE-i386-disc1.iso
次に、 インストールメディアをシリアルコンソールを使って起動するように設定します。 シリアルコンソールをシステムのコンソールに設定する行を含んだ loader.conf ファイルを、 展開した ISO イメージに作成します。
# echo 'console="comconsole"' >> /path/to/headless-iso/boot/loader.conf
その後、修正されたツリーを使って ISO イメージを作成します。 以下のように、sysutils/cdrtools port の mkisofs(8) ツールを使ってください。
# mkisofs -v -b boot/cdboot -no-emul-boot -r -J -V "Headless_install" \ -o Headless-FreeBSD-9.1-RELEASE-i386-disc1.iso /path/to/headless-iso
適切な ISO イメージを作成できたので、 お気に入りの CD ライタ用のアプリケーションを使って CD-R に焼いてください。
ヌルモデムケーブルの接続
2 つのマシン間を ヌルモデムケーブル で接続する必要があります。 ケーブルで 2 つのマシンのシリアルポート同士をつなげてください。 普通のシリアルケーブルはここでは使えません。 内部配線のいくつかがクロスされたヌルモデムケーブルが必要です。
インストールのために起動
いよいよインストールを開始します。 USB メモリスティックを、画面のない、 インストールを行おうとしているマシンに挿入し、 電源を投入してください。作成した CDROM を使う場合には、 マシンの電源を投入し、ディスクを挿入して起動してください。
画面がないマシンへの接続
cu(1) でインストールを行いたいマシンに接続してください:
# cu -l /dev/cuau0
FreeBSD�7.X では、 かわりに以下のコマンドを使ってください。
# cu -l /dev/cuad0
できました! cu のセッションを通して画面がないマシンを操作することができます。 インストーラが kern1.flp を挿入するように要求し、 その後どの種類の端末を使うか選ぶよう問われます。 FreeBSD カラーコンソールを選んでインストールを続行してください!
本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。
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