9.3. システムのハードウェアについて知る

寄稿: Tom Rhodes.

カーネルコンフィグレーションの冒険を始める前に、 コンピュータのハードウェア一覧を作成すると良いでしょう。 もし、FreeBSD 以外のオペレーティングシステムがすでにインストールされているのであれば、 現在インストールされているオペレーティングシステムの設定を調べることで、 簡単に一覧を作成できます。 たとえば、Microsoft® の デバイスマネージャ は、インストールされているデバイスに関する重要な情報を持っています。 デバイスマネージャ は、 コントロールパネルから開くことが出来ます。

注意: MicrosoftWindows® のバージョンによっては、 デバイスマネージャ にアクセス可能なウィンドウを表示する システム アイコンがあります。

もし他のオペレーティングシステムがコンピュータにインストールされていないのであれば、 管理者はこれらの情報を手動で収集する必要があります。 情報を集める方法のひとつが、dmesg(8) ユーティリティと man(1) コマンドを用いる方法です。 FreeBSD のほとんどのデバイスドライバにはマニュアルページが用意され、 対応しているハードウェアの一覧を提供しています。 また、起動時には検出されたハードウェアの一覧が表示されます。 たとえば、以下の行は、psm ドライバがマウスを検出したことを示しています。

psm0: <PS/2 Mouse> irq 12 on atkbdc0
psm0: [GIANT-LOCKED]
psm0: [ITHREAD]
psm0: model Generic PS/2 mouse, device ID 0

このドライバがカスタムカーネルコンフィグレーションファイルに含まれている、 もしくは loader.conf(5) によって読み込まれる必要があります。

場合によっては、dmesg が起動時の検出結果ではなく、 システムメッセージだけを表示することがあります。 このような場合には、/var/run/dmesg.boot ファイルで出力を確認できます。

ハードウェアを見つけるためのもうひとつの方法は、 より冗長な出力を行う pciconf(8) ユーティリティを用いる方法です。 たとえば、以下のようになります。

ath0@pci0:3:0:0:        class=0x020000 card=0x058a1014 chip=0x1014168c rev=0x01 hdr=0x00
    vendor     = 'Atheros Communications Inc.'
    device     = 'AR5212 Atheros AR5212 802.11abg wireless'
    class      = network
    subclass   = ethernet

この出力は pciconf -lv を用いて得られ、 ath ドライバがワイヤレスイーサネットデバイスにあることを示しています。 man ath を実行すると ath(4) のマニュアルページが表示されます。

man(1)-k フラグで実行すると、 有用な情報を得ることができます。上のケースでは以下のようになります。

# man -k Atheros

ある特定の単語を含むマニュアルページの一覧が表示されます。

ath(4)                   - Atheros IEEE 802.11 wireless network driver
ath_hal(4)               - Atheros Hardware Access Layer (HAL)

ハードウェアの一覧を作っておくと、 カスタムカーネルを構築する過程であわてずにすむでしょう。

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