3.4. インストールの開始

重要項目: デフォルトでは、次のメッセージが表示されるまで インストーラはディスクに何の変更も加えません。

Last Chance: Are you SURE you want continue the installation?

If you're running this on a disk with data you wish to save then WE
STRONGLY ENCOURAGE YOU TO MAKE PROPER BACKUPS before proceeding!

We can take no responsibility for lost disk contents!

この最後の警告の前であれば、 いつでもハードディスクの内容を変更することなくインストールを中断できます。 もし、何かを間違って設定してしまったことが心配ならば、 最後の警告の前に単にコンピュータをオフにしてください。 被害を残さずに済みます。

3.4.1. 起動

3.4.1.1. i386™ アーキテクチャでの起動

  1. まず、コンピュータの電源を切ります。

  2. コンピュータの電源をいれます。 起動が始まると、すぐにシステムまたは BIOS のセットアップメニューに入るためのオプションが表示されるはずです。 一般的には F2, F10, Del のようなキーまたは Alt+S のようなキーの組合せです。 画面上に示されるキーを使用してください。場合によっては、 起動すると画像を表示するコンピュータがあるかもしれません。 大抵の場合、Esc キーを押すと、 画像が消えて必要なメッセージを見ることができます。

  3. どの装置からシステムが起動するかを制御する設定を探してください。 通常は “Boot Order” と呼ばれ、 一般的には、Floppy, CDROM, First Hard Disk などの装置の一覧として表示されています。

    CDROM から起動する場合には CDROM が選択されていることを、 USB ディスクまたはフロッピーディスクから起動するなら USB ディスクまたはフロッピーディスクが選択されていることを確認してください。 自信が無い場合は、 コンピュータやマザーボードのマニュアルを参照してください。

    変更を保存して終了してください。 コンピュータが再起動するはずです。

  4. 項3.3.7 で説明されている “起動” USB スティックを使用する場合には、 コンピュータを立ち上げる前に、USB スティックを挿入してください。

    CDROM から起動する場合、コンピュータを立ち上げ、 すぐに CDROM を挿入する必要があります。

    注意: FreeBSD�7.X では、 項3.3.7 で説明されている方法で作成した起動フロッピーを用いてインストールできます。 boot.flp が最初に挿入する disc です。 このディスクをフロッピードライブに挿入して、 コンピュータを起動してください。

    もし、コンピュータがすでに存在している OS を読み込み、 通常通り起動してしまったのであれば、 以下の原因が考えられます。

    1. 起動ディスクが起動プロセスにおいて十分早いタイミングで挿入されていません。 ディスクをそのままにしてコンピュータを再起動してください。

    2. 先程の BIOS の変更が適切に行われていません。 正しいオプションを設定してやり直してください。

    3. 使用している BIOS は、 希望しているメディアからのブートに対応していません。

  5. FreeBSD は起動を開始します。CDROM から起動している場合、 次のような画面が表示されるでしょう (バージョン情報は省略しています)。

    Booting from CD-Rom...
    645MB medium detected
    CD Loader 1.2
    
    Building the boot loader arguments
    Looking up /BOOT/LOADER... Found
    Relocating the loader and the BTX
    Starting the BTX loader
    
    BTX loader 1.00 BTX version is 1.02
    Consoles: internal video/keyboard
    BIOS CD is cd0
    BIOS drive C: is disk0
    BIOS drive D: is disk1
    BIOS 636kB/261056kB available memory
    
    FreeBSD/i386 bootstrap loader, Revision 1.1
    
    Loading /boot/defaults/loader.conf
    /boot/kernel/kernel text=0x64daa0 data=0xa4e80+0xa9e40 syms=[0x4+0x6cac0+0x4+0x88e9d]
    \
    

    フロッピーディスクから起動している場合、 次のような画面が現れるでしょう (バージョン情報は省略しています)。

    Booting from Floppy...
    Uncompressing ... done
    
    BTX loader 1.00  BTX version is 1.01
    Console: internal video/keyboard
    BIOS drive A: is disk0
    BIOS drive C: is disk1
    BIOS 639kB/261120kB available memory
    
    FreeBSD/i386 bootstrap loader, Revision 1.1
    
    Loading /boot/defaults/loader.conf
    /kernel text=0x277391 data=0x3268c+0x332a8 |
    
    Insert disk labelled "Kernel floppy 1" and press any key...
    

    上記の説明にしたがって、 boot.flp ディスクを抜き、 kern1.flp ディスクを挿入し、 Enter を押してください。 最初のディスクで起動し、プロンプトが表示されたら、 要求される通りに他のディスクを挿入してください。

  6. CDROM, USB スティックまたはフロッピーのどれから起動するかにかかわらず、 起動プロセスは FreeBSD ブートローダメニューに到達します。

    図 3-1. FreeBSD ブートローダメニュー

    10 秒間待つか、Enter を押してください。

3.4.1.2. SPARC64® アーキテクチャでの起動

ほとんどの SPARC64® システムは、 ディスクから自動的に起動するように設定されています。 FreeBSD をインストールするには、ネットワークまたは CDROM から起動する必要があり、そのためには PROM (OpenFirmware) に入る必要があります。

PROM に入るにはシステムを再起動し、 ブートメッセージが表示されるまで待ってください。 モデルによりますが、以下のような表示です。

Sun Blade 100 (UltraSPARC-IIe), Keyboard Present
Copyright 1998-2001 Sun Microsystems, Inc.  All rights reserved.
OpenBoot 4.2, 128 MB memory installed, Serial #51090132.
Ethernet address 0:3:ba:b:92:d4, Host ID: 830b92d4.

もしシステムがこの時点でディスクから起動するようでしたら、 キーボードから L1+A または Stop+A を押すか、シリアルコンソールから BREAK (たとえば、tip(1) または cu(1) では ~#) を送信して、PROM プロンプトを表示してください。 次のような表示です。

ok         (1)
ok {0}    (2)
(1)
単一の CPU を持つシステムでのプロンプト
(2)
SMP システムのプロンプト。数字はアクティブな CPU の数。

ここで、CDROM をドライブに挿入し、 PROM プロンプトで boot cdrom と入力してください。

3.4.2. デバイス検出結果を再表示する

画面に表示される数百行の文字列は (バッファに) 記憶されており、 再表示することが出来ます。

バッファを再表示するには、Scroll Lock キーを押します。 これで、画面をスクロールできます。結果を見るためには、矢印キーもしくは PageUpPageDown を使います。 Scroll Lock をもう一度押すと、スクロールを停止します。

直ちにこの作業を行って、カーネルがデバイス検出を実行している時に 画面の外に流れた文字列を再表示してください。 図3-2 によく似た画面が現われるでしょうが、 あなたのコンピュータに搭載されているデバイスによって、表示される文字列は異なるでしょう。

図 3-2. 古典的なデバイス検出結果の例

avail memory = 253050880 (247120K bytes)
Preloaded elf kernel "kernel" at 0xc0817000.
Preloaded mfs_root "/mfsroot" at 0xc0817084.
md0: Preloaded image </mfsroot> 4423680 bytes at 0xc03ddcd4

md1: Malloc disk
Using $PIR table, 4 entries at 0xc00fde60
npx0: <math processor> on motherboard
npx0: INT 16 interface
pcib0: <Host to PCI bridge> on motherboard
pci0: <PCI bus> on pcib0
pcib1:<VIA 82C598MVP (Apollo MVP3) PCI-PCI (AGP) bridge> at device 1.0 on pci0
pci1: <PCI bus> on pcib1
pci1: <Matrox MGA G200 AGP graphics accelerator> at 0.0 irq 11
isab0: <VIA 82C586 PCI-ISA bridge> at device 7.0 on pci0
isa0: <iSA bus> on isab0
atapci0: <VIA 82C586 ATA33 controller> port 0xe000-0xe00f at device 7.1 on pci0
ata0: at 0x1f0 irq 14 on atapci0
ata1: at 0x170 irq 15 on atapci0
uhci0 <VIA 83C572 USB controller> port 0xe400-0xe41f irq 10 at device 7.2 on pci
0
usb0: <VIA 83572 USB controller> on uhci0
usb0: USB revision 1.0
uhub0: VIA UHCI root hub, class 9/0, rev 1.00/1.00, addr1
uhub0: 2 ports with 2 removable, self powered
pci0: <unknown card> (vendor=0x1106, dev=0x3040) at 7.3
dc0: <ADMtek AN985 10/100BaseTX> port 0xe800-0xe8ff mem 0xdb000000-0xeb0003ff ir
q 11 at device 8.0 on pci0
dc0: Ethernet address: 00:04:5a:74:6b:b5
miibus0: <MII bus> on dc0
ukphy0: <Generic IEEE 802.3u media interface> on miibus0
ukphy0: 10baseT, 10baseT-FDX, 100baseTX, 100baseTX-FDX, auto
ed0: <NE2000 PCI Ethernet (RealTek 8029)> port 0xec00-0xec1f irq 9 at device 10.
0 on pci0
ed0 address 52:54:05:de:73:1b, type NE2000 (16 bit)
isa0: too many dependant configs (8)
isa0: unexpected small tag 14
orm0: <Option ROM> at iomem 0xc0000-0xc7fff on isa0
fdc0: <NEC 72065B or clone> at port 0x3f0-0x3f5,0x3f7 irq 6 drq2 on isa0
fdc0: FIFO enabled, 8 bytes threshold
fd0: <1440-KB 3.5” drive> on fdc0 drive 0
atkbdc0: <Keyboard controller (i8042)> at port 0x60,0x64 on isa0
atkbd0: <AT Keyboard> flags 0x1 irq1 on atkbdc0
kbd0 at atkbd0
psm0: <PS/2 Mouse> irq 12 on atkbdc0
psm0: model Generic PS/@ mouse, device ID 0
vga0: <Generic ISA VGA> at port 0x3c0-0x3df iomem 0xa0000-0xbffff on isa0
sc0: <System console> at flags 0x100 on isa0
sc0: VGA <16 virtual consoles, flags=0x300>
sio0 at port 0x3f8-0x3ff irq 4 flags 0x10 on isa0
sio0: type 16550A
sio1 at port 0x2f8-0x2ff irq 3 on isa0
sio1: type 16550A
ppc0: <Parallel port> at port 0x378-0x37f irq 7 on isa0
pppc0: SMC-like chipset (ECP/EPP/PS2/NIBBLE) in COMPATIBLE mode
ppc0: FIFO with 16/16/15 bytes threshold
plip0: <PLIP network interface> on ppbus0
ad0: 8063MB <IBM-DHEA-38451> [16383/16/63] at ata0-master UDMA33
acd0: CD-RW <LITE-ON LTR-1210B> at ata1-slave PIO4
Mounting root from ufs:/dev/md0c
/stand/sysinstall running as init on vty0

丹念に検出結果をチェックして、あなたが予期したすべてのデバイスを FreeBSD が検出できた事を確認してください。デバイスが見つからなかった場合、 検出結果へ表示されません。 カスタムカーネル を構築することで、 サウンドカードのように GENERIC カーネルに含まれていないデバイスのサポートを追加することができます。

デバイス検出後、 図3-3 が表示されます。 矢印キーを使って、国、地域、グループを選択してください。 その後、Enter を押してください。 国を簡単に設定できます。

図 3-3. 国の選択メニュー

国に United States を選択した場合には、 標準のアメリカのキーボードマップが使われます。 他の国を選択すると以下のメニューが表示されます。 矢印キーを使って、適切なキーボードマップを選択して Enter を押してください。

図 3-4. キーボードメニューの選択

国の設定が終わったら、sysinstall メインメニューが表示されます。

本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。

FreeBSD に関する質問がある場合には、ドキュメント を読んだ上で <[email protected]> まで (英語で) 連絡してください。
本文書に関する質問については、<[email protected]> まで電子メールを (英語で) 送ってください。