最初の部分は FreeBSD を使い始めた人向けで、FreeBSD のインストールの過程を手引きし、UNIX® の基礎となっている概念や慣習を丁寧に紹介します。 この部分に取り組むために必要なのは、探究心と、 紹介された新たな概念を理解する能力だけです。
その次の、ハンドブックのはるかに大きな部分では、FreeBSD システム管理者が興味を抱くあらゆる種類の話題が分かりやすく言及されています。 一部の章は、その章の前に読んでおくべきことが推奨されており、 各章の始めの概要で述べられています。
さらなる情報源の一覧は、付録B をご覧ください。
第 2 版は、FreeBSD ドキュメンテーションプロジェクトの献身的なメンバーによる 2 年以上に渡る作業の頂点に立つものです。 この新たな版における主な変更は、次のようなものです。
完備した索引が追加されました。
ASCII キャラクタによる図はすべて画像に置き換えられました (訳注: 日本語版は作業中です)。
各章に、章に記載されている内容と、 読者に期待される予備知識がすぐに分かるように、 一定の内容の概要が付け加えられました。
内容は、“始めに”、“システム管理”、 “付録” の 3 つの論理的な部分に再構成されました。
第3章 (“FreeBSD のインストール”) は新規ユーザーが文章の内容を理解しやすいように多くのスクリーンショットを入れて完全に書き直されました。
第4章 (“UNIX の基礎知識 ”) には、 プロセス、デーモン、シグナルに関する情報が追加されました。
第5章 (“アプリケーションのインストール”) には、バイナリパッケージの管理に関する情報が追加されました。
第6章 (“The X Window System”) は、 XFree86™ 4.X 上で KDE や GNOME のような近代的なデスクトップテクノロジーを利用することに力点をおいて、 完全に書き直されました。
第13章 (“FreeBSD の起動プロセス”) が拡張されました。
第16章 (“ストレージ”) は、 “ディスク” と “バックアップ” の 2 つの章に分かれていたものをまとめて書き直されました。私たちは、 この話題は 1 つの章にまとめて示した方が分かりやすいと感じています。 RAID (ハードウェアとソフトウェアの両方) に関する節も追加されました。
第19章 (“シリアル通信”) は FreeBSD 4.X/5.X 向けに一から再構成されました。
第20章 (“PPP と SLIP”) は大幅に更新されました。
第22章 (“高度なネットワーク”) に、多くの新しい節が追加されました。
第21章 (“電子メール”) に、 sendmail の設定についてより多くの情報が加えられました。
第11章 (“Linux バイナリ互換機能”) には、Oracle® や SAP®�R/3® のインストール情報が加えられました (訳注: 日本語版は作業中です)。
この第 2 版では、以下の新たな話題が扱われています。
この文書は 3 部構成になっています。 第 1 部導入では、 FreeBSD のインストールと基本的な使い方を扱います。 各章は順に読むことを想定していますが、 馴染み深い話題を扱った章は飛ばしてもよいでしょう。 第 2 部システム管理は、より上級の FreeBSD ユーザの関心をひく話題を広く扱っています。 各章の始めにはその章が何を扱っていて、 読者にどんな予備知識が期待されるかを簡潔に述べた概要がおかれています。 これは、その章に関心のない読者がそこを飛ばして興味のある章を見つけられるようにするためです。 第 3 部は参考情報からなる付録です。
新規ユーザに FreeBSD を紹介します。ここでは、FreeBSD プロジェクトの歴史、目標と開発モデルについて述べています。
インストール過程を一通りユーザに案内しています。 また、シリアルコンソール経由でのインストールのような高度な話題もいくらか扱っています。
FreeBSD オペレーティングシステムの基本的なコマンドや機能を扱っています。 Linux やその他の UNIX 風のものに馴染んでいたら、 この章を飛ばしても構わないでしょう。
FreeBSD の革新的な “Ports Collection” および標準的なバイナリパッケージによるサードパーティアプリケーションのインストールについて説明しています。
X Window System 全般と、特に FreeBSD 上での XFree86 の利用について述べています。 また、KDE や GNOME のような一般的なデスクトップ環境にも触れています。
システム管理者が FreeBSD システムを調整して最適な性能を引き出すのに利用できるパラメータについて述べています。 また、FreeBSD で利用されている様な設定ファイルとそのありかも解説しています。
FreeBSD の起動プロセスを解説し、 このプロセスを設定オプションで制御する方法を説明しています。
ユーザアカウントの生成、操作について述べています。また、 ユーザーに課すことができる資源の制限やその他のアカウント管理作業について議論しています。
どのような場合に新たにカーネルを構成する必要があるかを説明し、 カスタムカーネルのコンフィグレーション、構築、 インストールについて詳しく説明しています。
FreeBSD システムを安全に保つために役立つ Kerberos, IPsec, OpenSSH, ネットワークファイアウォールといった利用可能な様々なツールについて説明しています。
FreeBSD におけるプリンタの取り扱いを説明しています。たとえば、 バナーページ、プリンターの課金、初期設定といったことです。
FreeBSD でストレージメディアやファイルシステムをどう扱うかを説明しています。 対象は、物理ディスク、RAID アレイ、 光学およびテープメディア、メモリベースのディスク、 ネットワークファイルシステムなどです。
FreeBSD を英語以外の言語で使う方法を説明しています。 システムとアプリケーション両方のレベルの地域化を扱っています。
Web ブラウザや生産性向上ツールのような一般的なデスクトップアプリケーションをいくつか挙げ、 FreeBSD におけるインストール方法を説明しています。
システムを音声やビデオ再生に対応させるためにどう設定するかを説明します。 また、音声やビデオアプリケーションも例示しています。
FreeBSD システムに端末やモデムを、 ダイヤルインまたはダイヤルアウト用に接続する方法を説明しています。
FreeBSD で、PPP, SLIP や PPP over Ethernet を使ってリモートシステムに接続する方法を説明しています。
LAN 上の他のコンピュータとインターネット接続の共有、 ネットワークファイルシステムの利用、NIS 経由のアカウント情報の共有、 ドメインネームサーバの設定等々、 ネットワークに関する様々な話題を取り扱っています。
電子メールサーバの構成要素をそれぞれ説明し、 最もよく使われているメールサーバソフトウェアである sendmail について、 単純な設定をとりあげています。
FreeBSD-STABLE, FreeBSD-CURRENT と FreeBSD のリリースの違いを説明します。 どんなユーザにとって開発システムを追随するのが有用かを述べ、 その方法の概要をまとめています。
FreeBSD の Linux バイナリ互換機能を説明しています。また、 Oracle, SAP�R/3, Mathematica® といった人気の高い Linux アプリケーションのインストールを詳しく説明しています。
FreeBSD を収録した CDROM や DVD の様々な入手先や、FreeBSD をダウンロードしてインストールできるインターネット上のサイトを挙げています。
この文書は、 もっと詳しい説明が欲しくなるかもしれないさまざまな題目について触れています。 参考図書には、このハンドブックで参照している、 多くの素晴らしい本が挙げられています。
FreeBSD ユーザが FreeBSD について質問したり、 技術的な議論に参加できる、 多くの公開された場について説明しています。
多くの FreeBSD 開発者の PGP fingerprint を載せています。
一貫して読みやすい文章を提供するために、 この文書全体では以下の表記法が用いられています。
イタリック体 のフォントは、ファイル名、URL, 強調表現、技術用語の最初の使用を表すのに使われています。
等幅
等幅
フォントは、エラーメッセージ、
コマンド、環境変数、ports の名称、ホスト名、ユーザ名、
グループ名、デバイスの名称、変数、 コードの断片を表すのに使われています。
太字のフォントは、 アプリケーション、コマンド、キーを表すのに使われています。
文章の他の部分と区別するため、 キーは太字で示されています。 同時に押すことを意図したキーの組み合わせは、キーの間に `+' を入れて表されます。たとえば
Ctrl+Alt+Del
は、ユーザーが Ctrl, Alt それから Del キーを同時に押すことを意図しています。
順に押すことを意図したキーは、カンマで区切って表されます。 たとえば
Ctrl+X, Ctrl+S
は、ユーザーが Ctrl キーと X キーを同時に押してから、 Ctrl キーと S キーを同時に押すことを意図しています。
E:\> で始まる例は、MS-DOS® コマンドを表しています。特に注釈がなければ、それらのコマンドは最近の Microsoft®�Windows® の “コマンドプロンプト” 環境でも実行できます。
E:\> tools\fdimage floppies\kern.flp A:
# で始まる例は、FreeBSD 上でスーパーユーザ権限で実行しなければならないコマンドを示しています。 そのコマンドを入力するには、 root としてログインするか、 通常のアカウントでログインして、スーパーユーザ権限を取得するために su(1) を使います。
# dd if=kern.flp of=/dev/fd0
% で始まる例は、 通常のユーザアカウントで実行するべきコマンドを示しています。 特に断りのない限り、環境変数の設定やその他のシェルコマンドには C シェルの文法が使われています。
% top
あなたが手にしている文書は、 世界中の何百人もの人々の努力の賜物です。 誤字脱字の修正を送ったのか、文章を丸々投稿したのかによらず、 すべての貢献が役に立ちました。
多くの会社が、 著者らを雇用してフルタイムでこの文書に取り掛かれるようにしたり、 出版費用を出したりして、この文書を作り上げるのを援助してくれました。 特に、BSDi (その後 Wind River Systems に買収されました) は、フルタイムでこの文書の改善作業をするように FreeBSD ドキュメンテーションプロジェクトのメンバーを雇用し、それが 2000 年 3 月の最初の出版 (ISBN 1-57176-241-8) につながりました。 その後、Wind River Systems は、印刷出力の仕組みを整備し、 章を追加するために著者を何名か追加で雇用してくれました。この作業は、 2001 年 11 月の第 2 版の出版 (ISBN 1-57176-303-1) に結実しました。
本文書、および他の文書は ftp://ftp.FreeBSD.org/pub/FreeBSD/doc/ からダウンロードできます。
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